〜様々な給餌方法〜


こんにちは
看護師の岡本です

みなさま“強制給餌”という言葉をご存知でしょうか??
強制的にご飯をたべさせる。名前だけ聞くとあまりいい聞こえはしないですよね・・
ですが、何らかの理由で(病気・怪我・幼少期・シニア期等)自分でご飯を食べられなくなってしまった子に対しては強制給餌はとても重要なことです

当院では元気な子でも、手術前などに強制給餌を行っていただく機会がありますのでぜひ参考にしていただければと思います


そもそも強制給餌とは、固形物を食べやすく団子状に丸められる硬さにしてお口に入れてあげる”半強制給餌”と液体状のものをお口に流しいれる”強制給餌”の2種類があります。

反強制給餌の場合、固形物が自分で飲み込める場合はドライフードをふやかしその子に合った食べやすい大きさにまとめたり、
とろみ粉などでまとまりをよくしてあげるのもオススメです。
ペースト状のものは人差し指ですくい、犬の上あごの内部に擦りつける方法もあります。
この際、量は無理なく飲み込める量にしましょう。
食事体勢もその子に合った食べやすい体勢に維持してあげることも重要です。


強制給餌の場合は、基本的にドロドロのペースト状の物を流動食として与えることが一般的です。
口に入れる際に多くはこのようなシリンジなどの器具を利用します。
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給餌方法は主に、
ペースト状のご飯をシリンジで吸い上げます。
②それを口の横側や、歯と歯の間から少しずつ流し入れます。写真のように犬歯の後ろ側にはスペースが開いているので
そこにシリンジの先を入れることでお口を開ける必要はありません。
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③少量ずつ行い、自分の力で咀嚼し飲み込んだことを確認したら、もう一度給餌するという流れを繰り返します。

強制給餌には、誤嚥や食べさせすぎなど、気を付けるポイントも幾つかあります。
◎誤嚥
誤嚥とは、飲ませた流動食が食道では無く気管に入り込んでしまうことをいいます。
誤嚥は誤嚥性肺炎に繋がることもありもっとも避けたい危険の1つです。
誤嚥を防ぐ為には、1回にたくさんの量をあげるのではなく少量ずつにし、寝たきりになっている子に関しては、嚥下の力が弱まっているため無理に起こさず、横になったまま飲み込めない分は横から下に流れるようにした体勢であげると多くは防ぐ事ができます。

◎必要量以上の給餌
必要以上の給餌を行うと、食餌後の吐き戻しの原因となります。
食餌を吐いてしまうことは栄養が摂れないことも勿論ですが、体力消失にも繋がります。
病院でカロリー計算を行いますのでお申し付けください。

◎食後のケア
強制給餌は嫌がったり、流し込んだ物が垂れたりとお口まわりが汚れやすくなります。
こまめに拭いてあげないと、皮膚炎の原因となったりすることもありますのでしっかりとケアして下さい。

※投薬が必要な子には、少量の流動食に混ぜて、同様にシリンジで強制給餌して飲ましてあげることを推奨します。

当院では液体状の流動食・ペースト状にしやすい高カロリーな療法食などご用意しておりますのでお気軽にご相談くださいline_oa_chat_210512_184016.jpg
又、与えられている量が少ない場合や水分補給が難しい場合には、補助として皮下点滴を行うことで負担が軽減することもあります。

基本的に、強制給餌は必要になると日常的に飼い主様に行っていただくケアの1つになりますが、無理をせず不安に思った事がありましたらスタッフにお気軽にお申しつけ下さい
お電話でのご相談や、来院していただければ給餌のお手伝いもさせていただきます。

お家の子もいつ必要になるかわかりません。こういった給餌方法があることを覚えておいていただければと思います

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